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town-paddyのブログ

ネットラジオと読書が趣味の、コンピュータ嫌いのプログラマが、日々消費するコンテンツを保存・整理するブログ

映画 「pk」

インド映画 「きっと上手くいく 原題:3idiots」の監督と主演俳優が出演する新作。前作が良かっただけに日本公開日にすぐに鑑賞した。

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総じて期待外れだと言わざる負えない。まず、問題があるのはテーマを論争の多い宗教にしたことだろう。宗教問題を時間の限られた映画に収めるには難があったように感じる。主人公は神は信者に対して酷い行いをするはずはない、という一点で底の浅い宗教批判を繰り返していく。確かに高額なお布施や、不合理な儀式に対する悪徳な宗教家ならば批判はそれで片付くが、本気で神学に取り組んでいる宗教家になら軽く論破されるだろう。そもそも、映画に出てくる悪徳な宗教家なら、一回の若者が仕掛けたテレビ討論には応じず、メディアや自分の組織を使って相手をねじ伏せてしまうはずだ。学生運動の延長のような、おちゃらけた体制批判に見えて仕方がなかった。

 

そもそも、神は人間に対して思いやりをもつという発想から疑う必要がある。神は人間なんていう、ちっぽけな存在に気にも留めない。だから、災害や病魔で罪のない人間が苦しませ、努力が必ずも報われない理不尽を押し付けてくるものだ。そんな理不尽な中に法則性を見出し、人間がより快適に暮らせるようにするために、人類が発展させてきたものが宗教や哲学、果ては科学だといえる。であるならば、主人公の宗教批判をするならば、理不尽に打ち勝つ新たな価値観を pk に示してほしかった。しかし、結局は彼は神にすがり、その慈悲を求めるだけで、ご都合主義にも体よく問題を解決していってしまう。ちょっと、これでは納得できない。

 

娯楽作品として考えても、映画の冒頭で pk が宇宙人であることをバラさひてしまうことで、話の全体像がすぐにつかめてしまい、没入感が削がれてしまった。単純なストーリーなので、交通事故にあった記憶喪失の青年という体で物語を初めて、最後に宇宙であることが分かったほうが良い気がする。「きっと、うまくいく。原題: 3 idiots」を観て、インド映画に魅せられていたが、少し冷や水を浴びさせられた感じだ。